ビデオマーケティングについて(ビデオマーケティングを主軸にするべき10の理由、SEO他)
前回の記事の続きです。
ビデオマーケティングについて(ビデオマーケティングに関する10の統計、その他)
今回はVidyardの“Top 10 Reasons Why Video Should Take a Leading Role in Your Content Marketing Plan”から「ビデオマーケティングを主軸にするべき10の理由」という内容を軸にまとめたいと思います。
-
SEOの向上。
-
より強い注目を浴びる。
-
より高いエンゲージメント。
-
ウェブコンテンツは今後更に映像へと最適化される。
-
コンテンツ全体の最適化へ繋がる。
-
ページ滞在時間の向上
-
Eメール開封率の向上
-
アクセシビリティの向上
-
感情のつながりを生む
-
コンバージョン率の向上
-デジタル市場の分析では世界的に有名なComscore曰く、WEBマーケティングに映像コンテンツを利用すると検索結果の最初のページ(10件以内)に表示される確率が53倍にも昇る。-
調べてみてもソースが見つからなかったのでこの数値がどうやってはじき出されたのかは分かりませんが、適切なビデオマーケティングをすればページそのもののSEOに効果的なのは間違いありません。
適切なビデオマーケティングとはTPOに応じた映像コンテンツを提供することに加えてソーシャルアカウントとの連携も必須です。
まずTPOに応じたというのは大雑把にいえば「ソーシャル」と「バイラル」を使い分けるといった事でしょうか。
ソーシャルな映像コンテンツとバイラルな映像コンテンツの違いについてはちょっと古めの記事ですが言葉の定義は変わっていないのでこちらのブログ記事に詳しく掲載されています。
オンラインビデオマーケティングの未来は完全にソーシャルビデオにシフトするのか
言葉の定義は兎も角として記事の予測は当たってはいませんね。
現状を見るとソーシャルもバイラルもいい感じに住み分けられています。
特にYoutuberみたいな人たちはこの定義ならば言わばソーシャルとバイラルのハイブリットですね。
と言うよりもむしろ、映像コンテンツ全体がハイブリット化してきているのかもしれません。
ソーシャルメディアに関しては現段階ではYoutubeの再生数、Facebookのいいね!やツイートはGoogleの検索エンジンに直接影響を与える事は無いとは言われていますが、YoutubeであろうとVimeoだろうと他のWebページと同等の扱いはすると明言されています。
Are pages from social media sites ranked differently?
ならばSEOの基本は同じはずです。
つまりアップロードした動画が質の高いコンテンツと見なされればそこからリンクジュースを頂戴することができるのです。
具体的にはYoutubeであればユーザーが入力可能な部分の「タイトル」「説明」「タグ」それに加え「撮影日」「場所」なども埋めておくといいでしょう。
Webページと関連性の高いタイトルやタグをつけて説明はより詳細に、当該ページへのリンクも忘れずに。
可能であれば知人・友人に質の高いコメントを貰うのも効果的でしょう。
–CRM EssentialsのBrent Leary氏曰く、注目というのはどこからともなく発生するのではなく決まった分母を取り合うもの。-
注目の分母=リーチ可能なターゲット数
こう考えると注目を浴びる事がいかに大切かが分かると思います。
同業者より一人でも多くの注目を浴びていればそれだけビジネスチャンスが広がります。
ただし注意すべきなのは必ずしも「注目した人=クライアント」という訳ではありません。
特にバイラルビデオの場合は注目した人の殆どは顧客になり得ません。
その映像をエンターテイメントとして楽しんでいるだけなので余程爆発的なヒットを生み出さない限り直接売上等につながる事は期待しない方が吉。
立ち上げたばかりのブランドや商品の知名度を上げるというようなケースでは非常に有効です。
一方、ソーシャルビデオは顧客へ向けたメッセージ性の強いコンテンツ、ファンの獲得やコミュニケーションの場を設ける為のコンテンツである為「注目した人=クライアント」の可能性が高いのが特徴です。
注目度が増せば増すほど売り上げに直接貢献する可能性が高いです。
しかしながらほとんどの場合バイラルメディアのような即効性はないので地道に続ける必要があります。
ここまでの話を聞くと、とりあえず初めはバイラルでガンガン飛ばせばいいんじゃないの??と思うかもしれませんがビデオマーケティングはそんなに単純なものでもありません。
ここでバイラルビデオを利用した知人(制作側)の失敗例を紹介します。
実録・映像制作会社B社の失敗例
~こんなはずじゃなかったのに。~
知人の映像制作会社がブランディングのための映像コンテンツの制作を依頼されました。
数分程度のバイラル系ビデオをいくつか制作していましたが結果から言うと最後に作った作品がちょっとバイオレンス過ぎてクライアントのお怒りを買ってしまいました。
まだいくつかビデオを作る予定でしたが、契約は打ち切り。
何故こんなことになったのでしょうか?
1つ目のビデオは滑ってい入るけれどウケ狙いでまぁ悪くはなかった。
けれど大ヒットなどするはずもなくBuzzのBの字すら見当たらない。
そこで焦ったのか2つ目のビデオでは何故か斧やハンマーで機械を破壊しだしました。
北米では暴力とエロは言わずと知れたバイラルメディア最大の麻薬、諸刃の剣です。
この時点で既に雲行きが相当怪しいとは思いましたが彼らは突き進み続けました。
映像は一向に鳴かず飛ばず、焦った制作側は益々暴力的な表現を取り入れます。
ちなみにB社のプロデューサーは普段からビックマウスで自分たちは映像とWebのマーケティングのプロフェッショナルで作ったビデオはバンバンBuzzるみたいな説明をしていたのでしょう。
(実際はWEBマーケティングの知識は乏しく、制作チームが趣味で作った映像が1度少しBuzzった程度。)
コンテンツを作るにつれて高い製作費を支払ったクライアント側としては当然話が違うと感じるでしょう。
そこに来て3つ目の作品は血が噴き出るはクライアントの商材はブン投げるわと、かなり暴力的な仕上がりになりました。
このまま永遠にヒットせずに際限なくバイオレンスな映像を作り続けられて大切なブランドイメージに傷がついたらたまりません。
とうとう堪忍袋の緒が切れ、契約打ち切りという最後を迎えました。
―終わり―
こういった例もあるのでBuzzを狙ったバイラルコンテンツの制作というのは制作側に相当なセンスが要求されます。
一度Buzzった経験のある制作者ですら、クライアントの為に狙ってBuzzるというのは難しいのです。
更に一歩間違えたら取り返しのつかない事にもなり得るので制作会社がその手のメディア制作においてかなりの実績があるか、自身のセンスでBuzzを起こしたいといったような場合を除いては、注目の質重視の堅実なソーシャルビデオコンテンツの制作をお勧めします。
ご利用は計画的に。
-動画はエンゲージメントやソーシャルメディアでのシェア、ツイート率を10倍以上高める。-
更に別の調査ではツイートやFacebookのタイムラインの投稿に「シェア」等の単語を入れることにより更に拡散率を高めることができるという結果が出ています。
既にスパムまがいの粗悪なものも含め多くのバイラルメディアが実践しているので多様すると記事そのものが安っぽくなるので注意しましょう。
-Facebook等の例を見ても、音声なしの自動再生機能が追加される等、今後益々ウェブのテクノロジー自体が映像コンテンツに最適化されていきます。-
コンテンツやソフトウェアだけではなくサーバーサイドても一昔前と比較して、特殊なWebサーバーであるストリーミングサーバー等の価格も需要の増加に伴い低価格化してきています。
フロントエンドでもHTML5やCSS3の登場によりFlash等でプログラムを組まなくても動画コンテンツが実装出来るようになってきています。
この流れは益々加速していく事は間違いありません。
-一度読まれたブログ記事が再度開かれる事はあまり無いが、動画を掲載することで再読率が上がる。それに加えPVや滞在時間、何らかのアクションを起こしてくれる確率も上昇する。記事を通じて読者個人をより掘り下げる事も可能。-
前回の内容ではEメールの開封率について触れましたが、Blog記事でも同様の効果が窺えます。
経験談から言うと動画のタイトルはうろ覚えで記事のタイトルで検索するようなケースは稀ではないと思います。
記事そのものが検索されることによりWebページ上のコンテンツ全体のSEOに繋がります。
これは当然、映像を観ている間はページに滞在することになるのでページの滞在時間は向上します。
しかし設計上気を付けなければならない点は広告やFlashコンテンツ等を貼りすぎてページが重い場合、掲載元にジャンプされてしまう可能性があります。
ユーザーを外へ逃がさないような設計を心がけましょう。
前回の内容と被るので割愛します。
-昔と比較して映像コンテンツ制作の敷居は大きく下がった。もはや映像コンテンツ制作の敷居はブログ程度。-
カメラや編集アプリを使えば誰でも簡単に映像コンテンツを作成できる時代です。
アニメですらえもふりなどのツールを利用すればだれでも簡単に作れます。
HTMLによるアクセシビリティ設計というのはそれなりの専門知識が必要で敷居が高いのに比べ、映像コンテンツのアクセシビリティは基本は音声や字幕を付けるだけで良いのでコーディング程敷居が高くないのが特徴です。
現在は高価な映像編集ソフトなどを利用しなくてもYoutube上でオン・オフ切り替え可能な字幕を付ける事も可能です。
複数の国や地域へコンテンツを配信したい場合に外国語字幕が付けられるのも映像コンテンツの魅力です。
-映像コンテンツはインターネットが生まれるはるか前から存在する親しみあるコンテンツであり、人の感情にうったえるのに最も適したコンテンツである。-
言わずもがな、インターネットの存在するはるか昔から映像コンテンツというものは存在します。
テレビよりも昔、紙芝居や演劇などもいわば映像コンテンツです。
これらは活字よりも遥かに簡単に人の感情を動かしやすく、悪い言い方をすればマインドコントロールすら可能です。
特にB2Bのビジネスモデルでは感情的な繋がりが売上に大きく関係することも判明しています。
-最近の調査では71%のマーケティング専門家が映像コンテンツのコンバージョン率は他のコンテンツよりも強力であると認めている。-
最近だと印象に残ったWEB上のコマーシャルといえば日清の侍でしょうか。
バイラル的要素とソーシャル的な要素をうまく組み合わせた秀逸なものです。
世界中でインスタント食品のマーケティングを行っている日清らしく言葉が無くても楽しめる上にブラジルワールドカップからのスポンサー契約を行ったマンチェスターユナイテッド。
メイドインジャパンを全面に押し出す極めて質の高いCMだと思いました。
SAMURAI in BRAZIL / CUPNOODLE CM
SAMURAI IN MANCHESTER
日清であることを意識して観た人はあまりいないかもしれませんが、節々にブランドカラーの赤を利用、最後にカップヌードルドン!
FREEDOM-PROJECTの時から思っていましたが日清はこの手のマーケティングには非常に長けているイメージ。
参考:
Top 10 Reasons Why Video Should Take a Leading Role in Your Content Marketing Plan
-Vidyard-
From Promotion to Emotion: Connecting B2B Customers to Brands
-Think With Google-